

アノコロノミライ
「9前とアワジ、行ってみない?」大学時代の友人Rと 御茶ノ水橋口で 落ち合って 即提案した。コスパの良いイタリアンに向かう段取りだったが、お酒を呑んだら 面倒くさくなるだろうから シラフのうちに、と。“9前”とは「9号館(という校舎)前の広場」、“アワジ”は「淡路公園」。どちらもサークルの練習終了後に 酒盛りしていた場所だ。各自が 数百円ずつ出資して 酒を買い込んで、春夏秋冬、アウトドアで 終電まで 呑んでいた。9前は いつからか 取り締まりが きつくなって使用禁止になってしまい、居場所を失ったバカどもは アワジに 移住することになったのだった… …実際に行ってみると、10数年前、語ったり・笑ったり・喧嘩したりした ホロ苦い場所は すっかり 消えて無くなっていた…お世話になったコンビニや酒屋 もろとも 。今では9前には 建設中の新校舎、アワジには 大きな再開発ビルが そびえ立っている。 その当時、アワジには 1人でも 何度も行った。特に4年のとき。周りが どこどこから内定もらった、なんて話をしている時期に、俺は何しようか… なんて焦りながら ベン


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「…でも、あと何回 呑めるんだろうって 思いません?」帰郷した際に 親とお酒を酌み交わすかどうか、なんて話を 昨年末、お客さまとしていたら こんな返しが。そのときは ピンとこなかったけど、年末 帰省した際、駅の改札で 迎えに来てくれた 親の顔を見つけたとき、冒頭の問いかけが 私の中に 一気に 広がった。今時期の日本海側特有の雲みたく、ドッシリと。 そう遠くないうちに 古希を迎える両親。あと何回、会えるんだろう・会話ができるんだろう・一緒に 食事ができるんだろう。帰省中、そんなことが 時々 思い浮かんだ。すると、「醤油 取って」とか 何気ない会話のシーンでも …一瞬、静止画になるような …昔のアルバムを 眺めているような…うまく言えないけど、そんな不思議な 感覚に とらわれた。 今年 95歳になる祖母にいたっては、一緒に過ごせる時間は もっと限られる。先々月に大腿骨を骨折して(もう くっつかない) 施設に入ることになったのも手伝って。この帰省中、一日置きくらいのペースで 会いに行った。年々ちょっとずつピントが ずれてしまっている。けれども、家に戻り