

具体/抽象
半世紀以上前、ハーバード大学のロバート・カッツ教授はマネジャーとしてのレベルが上がるにつれて「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」の重要性が増してくると説いた・・・10年以上前、「ハイコンセプト」という著書にて、アメリカの作家、ダニエル・ピンク氏は、左脳の領域よりも右脳の領域の付加価値が増すと主張した・・・ いずれも一昔前の話ではあるが、これらの指摘は すべてのビジネスパーソンにおいて重要度が増しているように思う。少し補足すると、物事の本質を捉える・・・までいかなくても、具体的な事象から少し離れて、物事を抽象的に捉える能力が大切になってきているのではないか、と感じるのである。 その根拠として、国や地域、事業領域(業界、業態)、売り手と買い手、個人と組織、優位性の基準(例.勤続年数や年齢と優秀さ、規模と競争力の関係)など、様々な側面で境界線が曖昧になってきていることや、具体的なオペレーションは AIや機械が人間よりも精緻に実現できるようになってきている潮流が挙げられる。あらゆる枠組みが加速度的にグニャグニャになっていく中で、既定路線以外のところで