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事情。


20代後半だった頃、テレアポしていたら ある企業の人事部長が お時間をとってくださることになった。

アポイント当日。会議室に入って来られたのは 40代半ば(と 後に判明)の女性。「若造の YOUが 何しに 我が社へ?」名刺交換の時から 感じる ”圧” … が 会議室を包む… ココロ オレタラ 10プン デ オワル… そんなことが 頭をよぎりながらも 必死に 部長の考え、気持ちを お聞きしていく。と、そのうち ポツポツと お話してくださった。

その会社は 国内の業界シェアトップ級。「社内には どこか慢心があって、上も 同期も いつも口ばかり。結局、何も動かない。だから せめて、自分が やれることは 全力でやろう」と 仕事をされて来たらしい。時には 身体を壊してしまうまで。

「… 最近では 主戦場は 海外。外資も 日本にどんどん参入。競争環境が 厳しくなって、しわ寄せは 営業部隊へ。若手社員の離職が増えてきたので、外の意見も聞いてみようかな… 」とのことだった。

たまたま 何かが琴線に触れたのか、アタフタする若造に同情してくださったのか… その後、何度かの 打合わせを通じて 結果的にお仕事をいただくに至った。その頃には 部長の雰囲気は どこか 和らいでいた。

それが、嬉しかった。受注したことと同じくらい(保守的な会社で 新しいことを通すのは、簡単じゃない)いつだったか 営業の帰り道、涙がこぼれた。こんな経験の積み重ねが、今の仕事を始めたきっかけでもある。

・・・

話 かわって。いつだったか 忘れてしまったけど、伊藤忠商事が 日経新聞に 掲載した広告記事。樹木希林さんと 笑福亭鶴瓶師匠との対談形式で、師匠がこんなお話をされていた。

「… ある仕事で司会をしていたら、どうも みんなから 嫌がられている課長さんがいましてね。その人に 幼児言葉を 言わせてみたんです。『象さん』を『象たん』って。それがドーンとウケて、課長さんもイジられたのにウケて嬉しそうで。ぼくは 嫌がられている人でも 一緒になって嫌がらないで その人の面白さを見つけて 周りもその人を愛せるようにしたいと思うんです」

この課長さんも 歯を食いしばらなければならい事情が 何かあったのかもしれない。人は 状況によって 出方が 異なる。世間では、それを「表」と言ったり「裏」と言ったりする。その「間」には それぞれの事情が あったりする。


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