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再会。


駅前のロータリーで Iさんに バッタリ出くわした。1,2分 立ち話をしていたが、二人とも時間があったので 近くのコーヒーショップで お茶することにした。Iさんとは 最近では 道すがら挨拶をしたり 一言二言 かわすことはあったが、落ち着いて会話をするのは 一年ぶりくらい。二人きりで お話しするのは初めてだった。

その日、なぜか Iさんは 今までの足跡を お話ししていった。結婚・離婚・再婚・今の暮らし・今まで就いた仕事・運転免許を持たない理由・お母さんとのこと etc… 合間合間で お互いに 冗談を挟みながらも、Iさんは いろんな話をされた。

娘さんの出産を機に 病気をされていたことを 初めて知った。それは Iさんの人生に大きな転機をもたらした。「…ようやく良くなってきたのは ホント つい最近よ。かれこれ もう 20年近く 悩まされて…」そういえば、いつもお会いすると 明るく接してくださる方だが、いつだったか「なんか 疲れてるのかな?」と感じたことが あった。Iさんが患った病気は 私も知っていた。日常生活さえままならない人も多いと聞くが、 Iさんは 現在に至るまで ずっと仕事をし続けてきた。

なんで 頑張れたんですか。真っ先に返ってきたのは「娘の存在かな…やっぱり」。そう言って「…ママ、会えるの 楽しみにしてる」と締めくくられたメールを 嬉々として 見せてくれた。「最近、直接 連絡 取れるようになってね、今度 久々に会うのよ〜」娘さんは 二十代半ばであるが、最後に顔を見たのは 未だ10代の頃 だったらしい。

「…じゃあ、またね!」手を振って Iさんは 駅の方へと向かう。これから 娘さんへのプレゼントを 買いに行くんだとか。

・・・

そのとき、二人の間に どんな時間が流れるんだろう。そんなことを思いながら 急にクールダウンした街をしばらくブラついた。


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