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乗り物/裸足


日産自動車が 経営苦境に至った 最も大きな要因は何か?という質問に対して、随分前に ある経営セミナーで カルロス・ゴーン氏は 次のように回答したと聞く。「…最大の問題は 事業環境や 外部要因にあるのでなく 日産の組織の内部にあった…日本の多くの経営者は 組織内部の問題については 過小評価する傾向がある。過小評価すればするほど 病状が進行し 問題が大きくなってしまい、手の打ちようがなくなってしまう」

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その日産自動車 …そして スバル、神戸製鋼、商工中金 … 少し前であれば 三菱自動車、東芝 … 後に不正が発覚した企業に 前職時代 何社か営業訪問したことがあった。訪問先は 主に 経営企画や人事部門の役職者。思い浮かぶ 共通点の一つは、会社(自社の取り組みなど)に 強い意義を持っていらっしゃるんだな…と感じる機会が多かったこと。これは 見方によっては大切… だけど、中には 「我々は いろんなことを わかっているし やっている」あるいは「こういうやり方でないと 我々には合わない」という 強固なスタンスな方もいらした。例えるなら、会社(社名、ブランドなど)が 時速100Kmで走っているのに、あたかも ご自身が その速度で走っているように 諸々を論じているような… 僭越ながら、そんなことを感じたのだった。

“乗り物”から降りて 裸足で駆けて …アスファルトが熱かったり、砂利を踏んで痛かったり、犬のウンコ 踏んで 情けなくって 泣きそうになったりして … お客様から ようやく お金をいただいて 今度は 嬉し涙… そんなリアリティを、本社-現場・上-下で 忘れてしまって、立派なスローガンや 数値目標が 一人歩きし始めると、組織の健全性が 失われていくのだろうか。

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忘れてはならないことが 二つ。不正が発覚した企業では、現場中心に「さすがに これは やばいんじゃ…」と 思いながらも 自分や家族の生活のために 暗澹たる気持ちで 業務に当たった方が きっと 相当数 いらっしゃったんだろうということ。もう一つ、私も含め 人は弱い部分を持ち合わせている 生き物だということだ。

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