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@日比谷。


土砂降りの日比谷公園。久し振りに結婚式に出席した。新郎と呑みたかったので高校時代の同窓と時間をつぶすため、園内にあるゲレンデの食堂みたいなお店に駆け込んだ。店内はキャパをはるかにオーバーするバカ混み。8:2で女性だった。

トイレに行って用を足していると、目の前の小窓から音合わせが聞こえてくる。(混んでるのは、これか…あ、この曲知ってる)

しばらく待つと運良く席が空いたので、男5人、ぎゅうぎゅうで座る。隣は二人組の女性。「騒がしくてすんません…エレカシ、好きなんですか?」話しかけてみると、大ファンだという。野音(日比谷野外音楽堂)のチケットが取れず、土砂降りの中カッパを着て外で数時間、もれてくる音を堪能するそうな。

きっと昔から好きなんだろう…なんて予想は見事に外れた。1年前にハマったという。「なんで好きなの?」理由を聞いてみるとこれまた意外だった。「ストイックだから」「長年続けているから」。2人から返ってきた答えはメロディーや歌詞と行った音楽的要素(もあるんだろうけど)ではなく、スタンスだった。

エレファントカシマシは今でこそ紅白に出場するほどメジャーなバンドになったが、売れる前は相当ジタバタされていたと、何かの記事で読んだ。お金はなくとも時間はあるので、スピッツやMr.Childrenなど爆発的に売れたバンドの曲を聴きこんで、売れるために何が足りないのかをとことん考えたという。デビュー当初は「うるせーばかやろー」と客に言い放つほどアナーキーだったので、すごく意外だった。エレカシは今年3月、30周年記念で、スピッツ、ミスチルとの共演を果たしている。

岡村靖幸さん、スガシカオさん、東京スカパラダイスオーケストラ、…いま自分のipodに入っている日本人ミュージシャンもキャリアの長い方々が多いが、いまのパフォーマンスが一番素晴らしいと、私は思っている。中でも最近一番リピートしているのがスカパラ。「バンドとしてのサウンドの重みが全く違う」ドキュメントムービーでベーシストのTOKIEさんがそんなコメントを寄せていた。

私はアーティストではないけど、これから10年、20年、30年…と生きていく中での理想が、そこにあるような気がする。歳を重ねても「昔は良かった」なんて話はしたくないし、その時がベストでいたい。山あり・谷あり、その中で、瞬間瞬間で、何を感じ、どう行動していくか。その蓄積を大切にしていきたい。


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