タイムラグ。
うまく しのいだ。なので そのやり方を 繰り返した …しばらくしてから 振り返ってみた。そしたら ただ ただ マズイ手を打っているだけだった …そんなケースは 世の中 結構 多い。
自分ごとで 思い当たるのは 前職 営業時代の「値引き」。仕事欲しさに アタック先からの値引き要請に 安易に 応じようとしていた時期があった。確かに それによって決まった 仕事はあった。ただ、そのことによって 自分や勤めていた会社の強さ、担当トレーナーのモチベーションに どのような影響を与えてしまったのか …しばらくしてから 青ざめた。
短期的(その時点)には 一見 正しいことが、中長期的には 全く割に合わないことがある。
ところで、人間は「ショートカット(近道)したい」願望があるらしい。本来であれば成果を得るためには 正当なプロセスがあるはずなのに、それをすっ飛ばして 成果を求めようとする願望。特に「金」「健康」「人間関係」など 琴線に触れるようなテーマでは。(詐欺なんかは そこに照準を絞って、この心理を巧みについてくる)
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「不正」。この手のニュースが 連日 絶えない。
最初は ほんの出来心。「駐車違反」。見つからなかった。今度は「一時停止無視」。見つからなかった。「ゴールドの あの人が まさか そんなこと…」名が知れていると 周囲は そんな見方。渡りに船。…そのうち「信号無視」「スピード違反」… だんだん タガが外れていって … あるタイミング(環境変化)で「事故」が 起きる。
ごまかして 業績、品質の”見せかけ”の帳尻があった。面子を保った。これが 短期的な結果。一方、味をしめて それを続けていくうちに、全社をあげても 手に負えないくらいに 問題が質的・規模的な変化を起こし、タイムラグを経て ある時 一気にフィードバックされる。これが長期的な結果。
このタイムラグ(時間差)が非常に厄介。事態が表面化するまでには時間がかかるので、「うまくいっている」錯覚を 当事者に与えてしまう。
もちろん「最初は芽が出なかったが しばらくして あるとき花開く」というような、”良い結果(成果)”が 出るにあたっても タイムラグがあったりする。この例として 思い浮かぶのは Amazonのぶっ飛んだ 先行投資。
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ビジネスは ギリギリの綱を渡ることもあるし、多くの利害関係者がいるから 意思決定を下すまでにそんなに 時間的余裕もなかったりする。
ただ、特に 追い詰められたときや 差し迫ったとき、一呼吸 置くことくらいはできるはず。「私は どこに向けて この一石を投じようとしているのか」と。