thinking time.


自分の思った通りに 物事は 進むわけではない −  今回のコロナ禍を通じて、最も学んだことである。同じようなことを感じたり 口にしたりしたことは あるはずだが、これほどまでに外部環境の制約を受けた経験はなかったので、過去最大級で 実感したんだと思う。

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俯瞰屋とは 別の仕事が契機だった。現在、スタートアップ企業に 個人契約で参加しており、私は営業成績で ギネス記録を更新し続けていた。このままアクセルを踏み続ければ、担当事業も ある指標で先行する競合を抜き去り、「年内・日本一」という目標を実現できる。3月の達成会で そう確信していた。

4月。緊急事態宣言が発令。社会、経済活動は 完全に麻痺。リーマン危機などのような金融市場ではなく、今回は 実体経済が震源地。「人が動かない」という前代未聞の異常事態。とりわけ顧客先の業界は 直撃だった。数字をあげようにも、営業すらできないジレンマ・・・ウェブ会議で顔を合わせるメンバーの呑気さにも イラつきが募る(ポンコツ営業が二人飛ばされた結果、新規営業要員は 現在チームで私一人)・・・アクセルベタ踏み状態を ひと月くらい続けた結果、私は 疲れ果てた。マネージャーとの意見交換を通じて、事業環境、担当組織の現状と私との位置関係を整理することで ようやく アタマが冷静になり、そこから やり方を変えた。

新規営業先は 規模に固執せず、小さくても感染者数が少ない エリアの案件からコツコツと 積み上げるようにし、メンバーに対しても 皆が皆 自分と同じ熱量を求めることはできない、と割り切った。

そこから不思議と、仕事以外の面でも 無駄な力が抜けた。チームメンバーや、「元気?」と声をかけてくれる 家族や 友人・知人と 以前よりも 良い関係を築けているようにも思う。量が増えていたタバコも 吸わなくなって二週間が経つ。

参加しているスタートアップ企業では 幸いにして人員整理には手をつけず、緊急事態宣言が大半のエリアで 解除された今、仕切り直しで「年内・日本一」に向けてスタートを切った。

一方で この先は、コロナ第二波がくる可能性もあるし、実体経済にどのような変化が起こるか 分からない(先行する競合企業は 世界規模で7500人のうちの1/4を解雇する、との報道が先日出ていた)。

ただ、どんなことが起きようとも アクセルだけでは 先に進まなくなってしまった場合は 頭を冷やし、現実的な対処を実践することで 歩みを進めていこうと思う。

===Another story===

3月初め。

コロナウイルスのインパクトを まだ あまく見ていた頃。4,5年ぶりくらいに いつかの駅前のバーに立ち寄った。バーカウンターに、私を含めて 男3人。私は 真ん中に座って、自然とマスターと4人で会話する流れとなった・・・あれ、右隣のIさん。4、5年前にも こんな風にお話ししていたな・・・と、途中で思い出した。

Iさんは経営者で、全盛期は 結構 有名なアパレルブランドと 仕事をしていた・・・2000年代に入ると「こんな早くくるとは思わなかった」スピードで、生産機能が中国に移っていき、60代 間近になった今、店じまいも頭をよぎっている、とのことだった。別れ際に こんなお話をされていた。

「以前は一日、なん十万も使って飲んだり、喧嘩したりもしたけどさ。最近は そンな お金、使えるようには なくなってきたんだけど・・・でも 俺、なんか 前より やさしくなった気がするんだよ」


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