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「…でも、あと何回 呑めるんだろうって 思いません?」帰郷した際に 親とお酒を酌み交わすかどうか、なんて話を 昨年末、お客さまとしていたら こんな返しが。そのときは ピンとこなかったけど、年末 帰省した際、駅の改札で 迎えに来てくれた 親の顔を見つけたとき、冒頭の問いかけが 私の中に 一気に 広がった。今時期の日本海側特有の雲みたく、ドッシリと。

そう遠くないうちに 古希を迎える両親。あと何回、会えるんだろう・会話ができるんだろう・一緒に 食事ができるんだろう。帰省中、そんなことが 時々 思い浮かんだ。すると、「醤油 取って」とか 何気ない会話のシーンでも …一瞬、静止画になるような …昔のアルバムを 眺めているような…うまく言えないけど、そんな不思議な 感覚に とらわれた。

今年 95歳になる祖母にいたっては、一緒に過ごせる時間は もっと限られる。先々月に大腿骨を骨折して(もう くっつかない) 施設に入ることになったのも手伝って。この帰省中、一日置きくらいのペースで 会いに行った。年々ちょっとずつピントが ずれてしまっている。けれども、家に戻りたい思いから「親分(施設長のこと)に 、あの… ”誰某が危篤だからっ” て 話したら …あの、なんとか 今日、おうちに 帰れるだろか…」なんて作戦を 親父に耳打ちしてくるから まだ 頭は回る。可笑しい反面、胸に穴が空いたような 気持ちになる。…アクシデントがない限り、父も 母も 私も、祖母と 同じような道を いずれたどる。人間の尊厳と 医療の発達を秤にかけて、年老いたら 自分は どう生きたいか。施設からの帰り道、親父は 自分のプランを ポツポツ 語った。

・・・

新しい年を迎えると、やたら意気込んで ”あれしよう" "これしなきゃ"って 積み上げることばかり考えてきたけど、ステージに応じて 引き算(残り)を意識すると、もっと違った 大切なことが 見えてくるようにも思う。…そんな観点から 過去の自分を振り返ると、足元や周りを見ずに、前だけ向いて(るフリして)たから、なんだか 上滑りしていた気がする(汗)あー。気がつけば 年男。いつもより ちょっとは マシに 生きれるだろか。


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